「絶対に」「必ず」と説明を受けた契約は”絶対に”取消せる?


82c29d9311d35600ce775781e998d44a_s

商品やサービス(工事等)を契約する際に、業者から「絶対に〇〇します!」とか「必ず〇〇になります!」とか「100%〇〇です!」などと、本来は不確定であるはずの将来の事柄について「絶対」「必ず」「100%」といった断定的な表現で勧誘を受けたら、その業者との契約は考え直す方が無難です。

なぜなら、このように将来不確定な事項について、その成果が確定されるような断定的な表現を用いて勧誘することは、消費者に不確かな情報を与えて誤認させる行為として法律で制限されているからです。

スポンサーリンク

業者から「絶対に」「必ず」「100%」などという説明を受けた契約は取消すことができる

消費者と事業者が契約する際のルールなどを定めた消費者契約法という法律には、事業者が契約の勧誘に際して将来における変動が不確実な事項について断定的な表現をすることによって消費者が誤解して契約を結んでしまった場合には消費者側で一方的にその契約を取消すことができるという契約の取消制度が設けられています(消費者契約法第4条第1項)(消費者契約法第4条第1項)。

【消費者契約法第4条】

第1項 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
1号 (省略)
2号 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認

この断定的判断の提供とは、前述したような「絶対に・・・」とか「必ず・・・」とか「100%・・・」とかいう表現が代表的なものとして挙げられますが、必ずしも「絶対」とか「必ず」といった表現がある必要はなく、「絶対」「必ず」「100%」といった表現でなくても、業者側の言い回しが将来不確定な事実に関して一定の評価を断定するような表現で消費者を誤解させているような場合は全て「断定的な判断の提供」に該当することになります。

消費者がこのような言い回しで勧誘を受けてしまうと、将来不確定な事項に関しても「確実に〇〇なら契約しようかな」とか「100%〇〇なら契約しても大丈夫だな」といったように、誤った判断に基づいて契約を結んでしまう可能性があります。

そのため、そのような断定的な判断の提供を受けて誤った判断に基づいて契約をしてしまった消費者を保護するため、事後的に契約を取消すことができるということにしているのです。

訪問販売や電話勧誘販売だけに限らず、通常の店舗での購入でも取り消すことができる

この消費者契約法第4条に規定された「断定的判断提供」を理由とした取り消しは、消費者が事業者から購入する商品やサービス(工事の契約等も含む)などすべての取引に該当しますので、消費者が契約をするに際して断定的な判断の提供を受けた場合にはどのような契約であっても基本的に取り消すことができることになります。

クーリングオフの場合には訪問販売や電話勧誘販売など特定の取引に限られますが、断定的な判断を提供を理由とした契約の取消はあらゆる消費者契約で利用することができますので、何らかの契約を取消したいと思う場合には、勧誘の際にこの「断定的な判断の提供」がなかったかということを思い出してみるのも必要かもしれません。

断定的な判断の提供の代表事例

上記のように、商品の購入やサービス(工事)の契約などで「断定的な判断の提供」と考えられるような勧誘方法としては下記のようなものが代表事例として挙げられます。

「ダイエット用サプリ」の販売で「このサプリなら絶対に痩せます」と言われた場合
「痩身効果のある下着」の販売で「この下着をつければウエストが〇cm以上細くなります」と言われた場合
「在宅ワーク」の紹介で「この在宅ワークなら毎月〇万円以上稼げます」と言われた場合
「パチンコ攻略本」の販売で「この攻略法をマスターすれば確実に勝てる」と説明を受けた場合
「投資用マンション」の販売で「この物件なら毎年年利〇%以上は確実です」と説明を受けた場合
「投資用マンション」の販売で「この物件なら家賃保証があるので絶対に損はしません」と説明を受けた場合
「羽毛布団」の販売で「この布団なら絶対にダニは付きません」と説明された場合
「耐震補強リフォーム工事」の営業で「この補強工事をすれば100%倒壊しません」と説明を受けた場合

以上の他にも「断定的な判断の提供」の態様は様々なので、ここでそのすべてを紹介することはできませんが、とにかく、何らかの商品やサービス(工事等)を購入する際に「絶対」「必ず」「100%」などといった断定的な表現で勧誘を受けたら、それは全て「断定的な判断の提供」と思っていいでしょう。

(※前述したように必ずしも「絶対」とか「必ず」といった表現がある必要はなく、「絶対」「必ず」「100%」といった表現でなくても、業者側の言い回しが将来不確定な事実に関して一定の評価を断定するような表現で消費者を誤解させているような場合は全て「断定的な判断の提供」に該当することになります。)

このような言い回しで勧誘をする業者は、そのような断定的な判断を提供することが法律で禁止されている(そのような判断を提供して契約しても契約を取消すことができる)ということを知りながら(又は知らずに)勧誘行為を行っているということができますので、消費者に購入を勧めながら「消費者に誤解を与えても構わない」と考えていることは明らかです。

「消費者に誤解を与えても構わない」と思いつつ販売を行うというのは、消費者の利益は度外視して自社の利益を優先している(自社の利益のためなら消費者が誤解して損をしても構わない)と考えているということであり、そのような業者とそもそも契約をするべきではありませんが、仮にそのような業者と仮に契約してしまったとしても前述したとおり消費者契約法第4条によって取り消すことができます。

断定的な判断の提供を受けた契約を取消す方法

契約の際に業者から断定的な判断を提供受けた場合は、前述したように消費者契約法第4条に基づいて契約を取消すことができます。

取り消しの方法は業者に対して「取り消します」という意思表示を行うだけですが、通常は業者に対して「取消通知書」を送付する方法で行います。

なお、断定的な判断を提供を理由に契約を取消す場合の取消通知書の記載例についてはこちらのページに掲載していますので参考にしてください。

▶ 断定的な判断の提供があった場合の取消通知書の記載例


スポンサーリンク

フォローする