電話で投資用マンションを勧誘する宅建業者への正しい対処法

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数年前ぐらいから、「投資用マンションを購入しませんか?」と執拗に電話を掛けてくる宅建業者(不動産業者)が多くみられるようになりました。

このような営業を行っている宅建業者(不動産業者)は「購入するつもりはありません」と断っても何回となく電話を掛けてくるため悪質業者として社会問題化しつつあるのが現状です。

では、実際にこのような悪質な宅建業者(不動産業者)から「投資用マンションを買いませんか?」と勧誘の電話が掛かってきた場合、具体的にどのような対処を取れば撃退することができるのでしょうか?

そこで今回は、突然電話を掛けてきて投資用マンションの購入を執拗に勧誘する悪質な宅建業者(不動産業者)にどのような対処をするべきか、という点について考えてみることにいたしましょう。

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投資用マンションの購入を執拗に電話で勧誘する宅建業者(不動産業者)への正しい対処法

① 宅建業者に投資用マンションの「勧誘」であることを告知させる

まず、宅建業者(不動産業者)から突然電話を受けた場合には、

『どういったご用件ですか?』『マンションの勧誘ですか?』

と伝え、宅建業者(不動産業者)の担当者自身の口から「投資用マンションの勧誘の電話をしている」ということを告知させてください。

なぜその電話が「投資用マンションの勧誘の電話であること」を確定させる必要があるかと言うと、後述するように悪質な業者に行政処分を出してもらうには、その業者が「勧誘」の電話をしていることが必要となりますので、業者が後で「あれは番号を間違えて掛けただけです」とか「勧誘ではなく単なる挨拶で電話をしただけです」などと言い逃れを防ぐ必要があるからです。

なお、法律では宅建業者(不動産業者)が不動産の勧誘を行う場合、その勧誘に先立ってその「勧誘をする目的である旨を告げずに、勧誘を行うこと」が禁じられていますので、電話で不動産の勧誘を行う業者は必ず「その電話が不動産の勧誘であること」を告知しなければなりません(宅地建物取引業法第47条の2第3項宅地建物取引業法施行規則第16条の12第1号ハ)。

【宅地建物取引業法第47条の2】

第1項~第2項(省略)
第3項 宅地建物取引業者等は、前2項に定めるもののほか、宅地建物取引業に係る契約の締結に関する行為又は申込みの撤回若しくは解除の妨げに関する行為であつて、第35条第1項第14号イに規定する宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令・内閣府令で定めるもの及びその他の宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令で定めるものをしてはならない

【宅地建物取引業法施行規則第16条の12】

法第47条の2第3項の国土交通省令・内閣府令及び同項の国土交通省令で定める行為は、次に掲げるものとする
1号 宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次に掲げる行為をすること。
 イ~ロ(省略)
 ハ 当該勧誘に先立って宅地建物取引業者の商号又は名称及び当該勧誘を行う者の氏名並びに当該契約の締結について勧誘をする目的である旨を告げずに、勧誘を行うこと
 ニ~へ(省略)
2号~3号(省略)

※なお、この場合、宅建業者は「投資用マンションの購入について説明をさせて頂きたい」など、具体的な勧誘目的を明確に告げなければなりませんので、例えば、投資用マンションの販売が具体的な勧誘目的であるにもかかわらず「年金や老後の生活設計に関する提案をさせて欲しい」とか「将来の資産運用に関して説明をさせて欲しい」などと言って説明を始めることは、その説明自体が勧誘行為に該当するものであることから”勧誘に先立つて”勧誘目的を告げたことにはならないのでそのような業者はこの法律に違反していることになります(平成23年9月16日国土動指第26号)。

※また、「勧誘に先立って」とは、電話による勧誘の場合は『相手方に電話が繋がった時点』を言いますので、電話がつながった時点で「投資用マンションの購入について説明をさせて頂きたい」などと告知しない業者はこの法律に違反していることになります(平成23年9月16日国土動指第26号)。

▶ 業者名・担当者名・勧誘する旨を事前告知しない宅建業者は違法?

ちなみに、電話を掛けてきた宅建業者(不動産業者)の販売員がこの規定に違反して「勧誘をする目的である旨を告げずに、勧誘を行った」場合には、その業者は”宅地建物取引業法第47条の2違反”となり、同条に違反する宅建業者は宅地建物取引業法第65条第2項で”1年以内の業務停止”の行政処分の対象となります(宅地建物取引業法第65条第2項)。

【宅地建物取引業法第65条】

第1項(省略)
第2項 国土交通大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該宅地建物取引業者に対し、一年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる
 1号(省略)
 2号 (省略)第47条の2(省略)の規定に違反したとき
 3号~8号(省略)

そのため電話を掛けてきた宅建業者が「勧誘をする目的である旨」を告げずに勧誘を始めるような場合には、すぐに電話を切って後述する手順に従って都道府県知事に対して「勧誘目的」の告知義務違反を理由に行政処分を出してもらうよう情報提供するようにしましょう。

② 宅建業者に「商号又は名称」「電話を掛けてきた担当者の氏名」を名乗らせる

電話を掛けてきた宅建業者(不動産業者)に「投資用マンションの購入を勧誘する電話であること」を告知させたら、その次は、

『そちらの社名(又は名称)とあなたのお名前をおっしゃっていただけますか?』

と伝え、その宅建業者(不動産業者)の「商号(個人事業主の場合は名称(屋号))」と、その電話を掛けてきている「担当者の氏名」を名乗らせるようにしましょう。

後述するように、悪質な宅建業者(不動産業者)については監督官庁である都道府県庁に対して情報提供(違法業者の相談)を行うことで行政処分を出してもらうよう促すことができますが、その場合、その悪質な宅建業者(不動産業者)の「商号又は名称」と「その勧誘電話を掛けてきた担当者の氏名」がわからなければ監督官庁の方でも業者を特定することができませんので、必ず「商号又は名称」と「その勧誘電話を掛けてきた担当者の氏名」は聞き出してメモしておく必要があります。

なお、法律では宅建業者(不動産業者)が不動産の勧誘を行う場合、その勧誘に先立ってその宅建業者(不動産業者)の「商号又は名称」と「勧誘を行う者の氏名」を名乗らずに勧誘することが禁じられていますので、不動産の勧誘を行う業者は必ず「商号又は名称」と「勧誘を行う者の氏名」を名乗らなければなりません(宅地建物取引業法第47条の2第3項宅地建物取引業法施行規則第16条の12第1号ハ)。

【宅地建物取引業法施行規則第16条の12】

法第47条の2第3項の国土交通省令・内閣府令及び同項の国土交通省令で定める行為は、次に掲げるものとする。
1号 宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次に掲げる行為をすること。
 イ~ロ(省略)
 ハ 当該勧誘に先立って宅地建物取引業者の商号又は名称及び当該勧誘を行う者の氏名並びに当該契約の締結について勧誘をする目的である旨を告げずに、勧誘を行うこと
 ニ~へ(省略)
2号~3号(省略)

仮に、電話を掛けてきた宅建業者(不動産業者)の販売員がこの規定に違反して「商号又は名称」と「勧誘を行う者の氏名」を名乗らない場合には、その業者は”宅地建物取引業法第47条の2違反”となり、前述した①の場合と同様に、同条に違反する宅建業者は宅地建物取引業法第65条第2項で”1年以内の業務停止”の行政処分の対象となります(宅地建物取引業法第65条第2項)。

そのため、仮に『なんでそんなこと教えないといけないんだよ』と電話を掛けてきた販売員が逆切れしてしまった場合には、

『”宅地建物取引業法施行規則第16条の12第1号ハ”で「商号又は名称」と「勧誘を行う者の氏名」を告知しないで勧誘することは禁止されていますから、あなたがこうして実際に勧誘の電話を掛けてきた以上、「おたくの商号又は名称」と「電話を掛けてきたあなたの氏名」を教えないと法律違反になって行政処分の対象となりますよ』

と伝えてください。

このように告知しても「商号又は名称」と「電話を掛けてきた担当者の氏名」を名乗らない場合は、すぐに電話を切って後述する手順に従って都道府県知事に対して「商号又は名称」と「勧誘を行う者の氏名」の告知義務違反を理由に行政処分を出してもらうよう情報提供するようにしましょう。

なお、この宅建業者(不動産業者)に告知義務のある「商号又は名称」と「電話を掛けてきた担当者の氏名」のうち、「電話を掛けてきた担当者」については「氏名」を告知する義務がありますから、”苗字(氏)”だけでなく”下の名前(名)”まで告知する義務があります。

そのため、電話を掛けてきた宅建業者の従業員に『あなたの氏名を教えていただけますか』と質問したのに『田中』としか答えないような場合は、『下の名前は何と言いますか?漢字はどのように書きますか?』と重ねて聞いてください。

もしもその電話を掛けてきた宅建業者の従業員が

『何で下の名前まで名乗らねーといけないんだよ』

と逆切れしてきた場合には、

『”宅地建物取引業法施行規則第16条の12第1号ハ”で「勧誘を行う者の氏名」を告知しないで勧誘することは禁止されていますから、あなたがこうして実際に勧誘の電話を掛けてきた以上、「電話を掛けてきたあなたの氏名」つまり「あなたの苗字と下の名前」を教えないと法律違反になって行政処分の対象となりますよ』

と伝えてください。

ここまで言っても「下の名前」を名乗らない場合は、すぐに電話を切って後述する手順に従って都道府県知事に対して「勧誘を行う者の氏名」の告知義務違反を理由に行政処分を出してもらうよう情報提供するようにしましょう。

③ 「購入するつもりはありません」または「これ以上勧誘を受ける気はありません」とハッキリ伝える

前述した①の手順で宅建業者に「不動産の勧誘の電話であること」を告知させ、②の手順で宅建業者の「商号又は名称」と「電話を掛けてきた担当者の氏名」を聞き出したら、

『(投資用マンションを)購入するつもりはありません』

と言うか、もしくは

『これ以上勧誘を受ける気はありません』

と告知しましょう。

このように、「契約を締結しない旨の意思」や「勧誘を引き続き受けることを希望しないこと」を告知したにもかかわらず、宅建業者の担当者が勧誘を継続することは法律で明確に禁止されています(宅地建物取引業法第47条の2第3項宅地建物取引業法施行規則第16条の12第1号二)。

【宅地建物取引業法施行規則第16条の12】

法第47条の2第3項の国土交通省令・内閣府令及び同項の国土交通省令で定める行為は、次に掲げるものとする。
1号 宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次に掲げる行為をすること。
 イ~ハ(省略)
 ニ 宅地建物取引業者の相手方等が当該契約を締結しない旨の意思(当該勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続すること
 ホ 迷惑を覚えさせるような時間に電話し、又は訪問すること。
 ヘ 深夜又は長時間の勧誘その他の私生活又は業務の平穏を害するような方法によりその者を困惑させること。
2号~3号(省略)

仮にこのように「契約を締結しない旨の意思」や「勧誘を引き続き受けることを希望しないこと」と伝えたにもかかわらず、その担当者が電話を切らずに勧誘を続けた場合には、前述した①や②の場合と同様に、宅地建物取引業法第47条の2の規定に違反することになりますから、その宅建業者は宅地建物取引業法第65条第2項で”1年以内の業務停止”の行政処分の対象となります(宅地建物取引業法第65条第2項)。

※なお、「契約を締結しない旨の意思」は、「お断りします」「必要ありません」「結構です」「関心ありません」など契約を結ぶ意思がないことを示した場合以外にも、「迷惑です」などと勧誘行為そのものを拒否した場合も当然「契約を締結しない旨の意思」を示したことになりますので、このように告知した後も勧誘を続ける場合は行政処分の対象となります(平成23年9月16日国土動指第26号)。

※この点についてはこちらのページでも詳細に解説していますので参考にしてください。

▶ 以後の勧誘が禁止される「契約を締結しない旨の意思表示」とは?

そのため、もしこのように告知しても勧誘を継続する場合には、

『”宅地建物取引業法施行規則第16条の12第1号二”で「契約を締結しない又は勧誘を引き続き受けることを希望しない旨を表示したにもかかわらず勧誘を継続すること」は禁止されていますから、あなたがこれ以上勧誘を続けると法律違反になって行政処分の対象となりますよ』

と伝えてください。

このように告知しても勧誘を続けようとする場合は、すぐに電話を切って後述する手順に従って都道府県知事に対して法律違反を理由に行政処分を出してもらうよう情報提供するようにしましょう。

※なお、宅地建物取引業法施行規則第16条の12第1号の”ホ”では「迷惑な時間に電話すること」が、また、”へ”では長時間の勧誘をすることも禁止されていますので、宅建業者の勧誘電話が夜遅い(又は朝早い)時間帯や仕事中に掛けられてきた場合であったり、長時間にわたるような場合にも、法律違反として行政処分を求めることが可能です。

ちなみに「迷惑な時間」が具体的に何時なのか、という点が問題となりますが、国土交通省の通達では「午後9時から午前8時」の間に勧誘を行うことが「迷惑を覚えさせるような時間」と解釈されていますので、午後9時から午前8時の間に勧誘の電話が掛かってきた場合だけでなく、午後9時前の勧誘の電話が掛かってきた場合であっても勧誘の途中に午後9時を経過してしまった場合には、消費者側の承諾を得ていない限りその勧誘行為は法律違反ということになります(平成23年9月16日国土動指第26号)。

ただし、午前8時から午後9時までの時間帯であっても、たとえば勤務中や育児、家事の時間帯であることを知りながら業者が勧誘の電話を掛けてきた場合は「迷惑な時間」に電話を掛けてきたということになりますので、「午後9時から午前8時」の時間帯の以外の電話であっても宅建業者の勧誘を違法な勧誘として行政処分を求めることは可能です(平成23年9月16日国土動指第26号)。

都道府県知事に行政処分を出してもらうよう情報提供する場合

以上のように、投資用マンションの勧誘の電話を掛けてきた担当者が、宅地建物取引業法第47条の2(及び宅地建物取引業法施行規則第16条の12)に違反する行為を行っている場合には、その宅建業者(不動産業者)は宅地建物取引業法第65条に基づいて行政処分の対象となります(宅地建物取引業法第65条第2項)。

このような場合、どのようにしてその違法行為を監督官庁に告発するか、という点が問題となりますが、一般的には監督官庁である都道府県庁に苦情の申入れを行うか、業者の違法行為の情報提供を行う場合が多いと思います。

(※この他にも宅地建物取引業保証協会に苦情の申出を行う方法もあります)

この点、どの都道府県庁に苦情を申し入れたり違法行為の情報提供を行うかが問題となりますが、原則的にはその違法行為を行っている宅建業者(不動産業者)が免許を受けた都道府県知事に対して苦情の申入れ又は違法行為の情報提供を行う必要があります。

(例えば、「東京都知事免許(1)〇〇〇〇〇」という登録番号で営業している業者が違法な勧誘を行っている場合には東京都庁の東京都知事に宛てて苦情や違法行為の情報提供を行います)

もっとも、法律上、他の都道府県知事から免許を受けた宅建業者(不動産業者)であっても、実際に営業を行っている都道府県知事が調査や行政処分を行うことが認められていますので(宅地建物取引業法第65条第3項及び第4項)、悪質な宅建業者(不動産業者)から違法な電話勧誘を受けている場合には、その電話を受けている消費者の住所地の都道府知事(県庁)に宛てて情報提供しても問題ありません。

(※例えば「東京都知事免許(1)〇〇〇〇〇」という登録番号で営業している業者が、埼玉県の川越市に住んでいる人に電話を掛けて違法な勧誘を行っている場合には、東京都庁の東京都知事に宛てて苦情や違法行為の情報提供を行うこともできますが、埼玉県庁の埼玉県知事に宛てて苦情や違法行為の情報提供を行うこともできます)

なお、この違法な宅建業者(不動産業者)に対して行政処分を与える場合の具体的な方法や手順などはこちらのページで詳しく解説していますので参考にしてください。

▶ 悪質な宅建業者(不動産業者)に行政処分を与える方法

▶ 長電話で勧誘する不動産業者に行政処分を求める申出書の記載例


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