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インターネット通販詐欺被害に遭った場合の申出書の記載例

このページでは、インターネット通販サイトで詐欺に遭った場合に、その詐欺被害に関して特定商取引法60条に規定された申出(告発・申告)を行う場合の申出書の記載例を公開しています。

適宜、ワードなどの文書作成ソフトに打ち込んで自由にご利用ください。

ただし、コピペ(コピーアンドペースト)しても構いませんが著作権を放棄するわけではありませんので無断転載や配布などは禁止します。

なお、この記載例(雛型)は当サイト管理人が個人的な見解で作成したものであり、仮にこの記載例を使用したことにより損害が発生した場合であっても当サイトの管理人は一切責任を負いませんのでご了承のうえご使用ください。

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インターネット通販で詐欺被害に遭った場合の特定商取引法第60条に関する申出書の記載例


申出書

平成〇年〇月○日

消費者庁長官 殿

氏名 玉佐怜ルナ  ㊞         
 住所 大阪市東淀川区〇〇町〇-〇 〇号室
 電話番号 080-1234-5678      

下記の通り、特定商取引の公正及び購入者等の利益が害される恐れがありますので、適当な措置を取られるよう、特定商取引に関する法律第60条に基づき、申し出ます。

1.申出に係る事業者

 所在地:東京都江東区〇〇1丁目 〇番〇号 〇〇ビル〇F
 名 称:株式会社damashitoruze(以下、「事業者」という)

2.申出に係る取引の態様

 インターネットによる通信販売

3.申出の趣旨

 申出人は○月上旬、インターネット上で多数の企業が出店しているショッピングモール”楽々市場”のウェブサイトにアクセスし、事業者が運営する「damashitoruze楽々市場店」のサイトページ(以下「事業者のサイト」という)において、ワンピース1点および麦わら帽子1点(以下「本件商品」という)の合計9,850円(消費税込み)を送料1,500円を含めて「コンビニエンスストア払い」の支払い方法により購入の申し込みを行った。
 申出人は翌日、コンビニエンスストアの「オーゾン上新庄駅前店」において、店内に設置されているマルチメディア端末機を使用し、本件商品の代金に送料を含めた金11,350円を事業者に支払った。
 申出人はその後事業者から商品が送付されてくるのを心待ちにしていたが、一向に事業者から商品が送付されてこなかったため、代金支払日から1週間が経過した○月○日に再び事業者のサイトにアクセスし、”お問合せフォーム”から商品の発送がない旨の問い合わせを行った。
 しかしながら、事業者はこの問い合わせに対して何ら回答をせず、またその後不審に思った申出人が事業者のサイトに記載されていた事業者の電話番号に電話をしても「この番号は現在使われておりません」とのアナウンスが流れるのみで、事業者と連絡を取ることができない状況が続いている。
 なお、申出人は○月○日、事業者のサイトに記載されていた事業者の住所(所在地)に「契約解除および商品代金返還の申入書」を内容証明郵便で送付しているが現在に至るまで事業者から本件商品の代金は返還されていない。
 以上のような状況であるため、事業者による同様の詐欺被害が拡大しないよう貴庁においてしかるべく対応されたい。

4.その他参考となる事項

※参考資料として次の資料を添付いたします。
・事業者のサイトをプリントアウトしたもの
・コンビニの端末機で本件商品の代金を支払った際の伝票の控え(写し)
・事業者に内容証明郵便で送付した「契約解除および商品代金返還の申入書」の写し

以上


※赤字の部分が記載例となりますので、各詐欺被害の態様に合わせて適宜書き換えてください。

※後日裁判になった場合などの資料(証拠)の一つとなる可能性もありますので、申出書を提出する前にコピーを取っておくことをお勧めします。

申出書の記載の要点

申出書の根拠法令

上記の申出書は、特定商取引法第60条に基づく申出に関する申出書の記載例となります。

特定商取引法第60条に関する”申出”についての詳細はこちらのページでレポートしていますので、ネット通販詐欺の被害に関する申出制度が何かわからないという人はそちらをご一読ください。
▶ ネット通販詐欺の被害はどこに告発・申告すればいいの?

申出書の様式について

特定商取引法第60条に基づく申出で使用する申出書は法律で様式が定められています(特定商取引法施行規則第57条第2項)。

申出書の雛型は消費者庁のサイトからダウンロードすることが可能です。

▶ 特定商取引法の申出制度|消費者庁

▶ 特定商取引法第60条に基づく申出書(様式第五)pdf|消費者庁

申出書の提出先

特定商取引法第60条に基づく申出書は「消費者庁長官」もしくは「経済産業局長」または「都道府県知事」に対して提出することが必要になります。

「消費者庁長官」「経済産業局長」「都道府県知事」のどこに提出すればよいかという点や具体的な送付先(消費者庁・各地域の経済産業局・都道府県の担当部署)についてもこちらのページに掲載していますので参考にしてください。
▶ ネット通販詐欺の被害はどこに告発・申告すればいいの?

申出書記載の要領

特定商取引法第60条に基づく申出書には、法令で「申出人の氏名又は名称及び住所」「申出に係る取引の態様」「申出の趣旨」「その他参考となる事項」の4項目を記載することが義務付けられていますので(特定商取引法施行規則第57条)、この4項目については必ず申出書に記載しておく必要があります。

【特定商取引法施行規則第57条】

第1項 法第60条第1項 の規定により主務大臣に対して申出をしようとする者は、次の事項を記載した申出書を提出しなければならない。
 一  申出人の氏名又は名称及び住所
 二  申出に係る取引の態様
 三  申出の趣旨
 四  その他参考となる事項
第2項  前項の規定により提出する申出書は、様式第五によること。

①「申出人の氏名又は名称及び住所」の欄の書き方

「申出人の氏名又は名称及び住所」の欄には、申出を行う人の氏名と住所を記載します。

前述したように特定商取引法第60条に基づく申出おいては「申出人の氏名又は名称及び住所」を記載することが法律で義務付けられていますので(特定商取引法施行規則第57条)、名前や住所を伏せた状態で申出することは基本的にできないと考えた方が良いでしょう。

なお、匿名で申出を提出することも物理的に不可能ではありませんが、その場合は役所の方でも法律上”特定商取引法第60条に基づく申出”として受理することはできませんから、”単なる情報提供”として処理されることになるのではないかと思います。

なお、特定商取引法第60条の申出は「何人も」申出を行うことができますので、悪質商法の被害に遭った被害者本人だけでなく、その家族や友人、親戚等被害者以外の人が申出書を作成して申出を行うことも可能です。

②「申出に係る取引の態様」の欄の書き方

「申出に係る取引の態様」の欄には、詐欺を行っている業者がどのような態様で顧客と取引を行っているかという点を記載します。

インターネットのウェブサイトで商品を販売している業者であれば上記の記載例のように「インターネットによる通信販売」と記載したり、単に「通信販売」と記載しておけば良いでしょう。

③ 「申出の趣旨」の欄の書き方

「申出の趣旨」の欄には、業者とどのような取引を、どのような状況で行って、どのような詐欺被害に遭ったのかを具体的に記載します。

インターネット通販サイトにおける詐欺被害の場合は「ウェブサイトで商品を購入したこと」「商品の代金を支払ったこと」「商品が送られてこないこと(または注文した商品と品質等の異なるものが送付されたこと)」の3点が詐欺の事実を明らかにする重要な点だと思いますので、この3点について具体的に(ただし要点を絞って)記載するようにしましょう。

また、業者と連絡がつかないような状況であればその状況を、業者と交渉した事実があるのであればその状況なども記載しておく方が良いと思います。

④ 「その他参考となる事項」の欄の書き方

「その他参考となる事項」の欄には、上記①②③の他に詐欺被害の事実を説明できるような事項を記載します。

基本的には詐欺の事実を説明できる事項であれば何を書いてもいいのではないかと思いますが、一般的には詐欺被害の事実を証明できるような資料を箇条書きにしてその資料を申出書に添付することが多いようです。

上記の記載例では、詐欺業者の運営していたショップのサイトを明らかにするために「事業者のサイトをプリントアウトしたもの」を、商品の代金を支払ったことを明らかにするために「コンビニの端末機で本件商品の代金を支払った際の伝票の控えの”写し”」を、業者と連絡が取れず代金の返還に応じてもらえないことを証明するために「事業者に内容証明郵便で送付した”契約解除および商品代金返還の申入書”の”写し”」をそれぞれ添付することにしています。

なお、”写し”を提出するのは、後日業者を相手取って裁判などを提起する必要が生じた場合に原本を提出してしまうと裁判の証拠として裁判所に提出することができなくなってしまうからです。

特定商取引法第60条に基づく申出制度はあくまでも詐欺被害の拡大を防止することが目的であって、行政機関が個別の被害者の救済のため代金の返還などを代行してくれるわけではありません。

詐欺被害の損害回復については各被害者が個別に(多くの場合は弁護士などに依頼して)裁判などで対応するほかありませんので、証拠となるような資料の”原本”は手元に残しておく方が良いでしょう。

参考サイト

特定商取引法の申出制度|消費者庁

特定商取引法の申出制度 | 消費者庁

日本産業協会

http://www.nissankyo.or.jp/nsk/no-trouble/seido.html#sec4
※申出書の記載例(pdf)→http://www.nissankyo.or.jp/nsk/no-trouble/download/moushide-tuushin.pdf