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業務提供誘引販売取引の不実告知に関する行政処分申出書の記載例

このページでは、内職商法や在宅ワーク商法、モニター商法、求人広告商法といった”業務提供誘引販売取引”において、業者側に不実告知(ウソの説明)があったことを理由として、行政機関に特定商取引法60条に規定された申出(告発・申告)を行う場合の申出書の記載例を公開しています。

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なお、この記載例(雛型)は当サイト管理人が個人的な見解で作成したものであり、仮にこの記載例を使用したことにより損害が発生した場合であっても当サイトの管理人は一切責任を負いませんのでご了承のうえご使用ください。

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業務提供誘引販売取引で契約の解除に関する事項について虚偽の説明(不実告知)を受けた場合に、主務官庁に違法行為の申告を行う場合の申出書の記載例


申出書

平成〇年〇月○日

消費者庁長官 殿

氏名 玉佐怜ルナ  ㊞         
 住所 大阪市東淀川区〇〇1丁目-〇 〇号室
 電話番号 080-****-****       

 下記のとおり、特定商取引の公正及び購入者等の利益が害される恐れがありますので、適当な措置を取られるよう、特定商取引に関する法律第60条に基づき、申し出ます。

1.申出に係る事業者

 所在地:東京都江東区〇〇1丁目 〇番〇号 〇〇ビル〇F
 名 称:株式会社damashitoruze(以下、「事業者」という)

2.申出に係る取引の態様

 モニター契約に関する商品の販売

3.申出の趣旨

 申出人は○月上旬、インターネット上で見つけた事業者のウェブサイトにアクセスし、事業者の販売するダイエットに効果のあるサプリメント(以下「本件商品」という)のモニター契約の申し込みを行った。
 本件契約は、本件商品を実際に服用し、週に1回事業者のサイトにアクセスして自己の体重その他本件商品の使用上の感想をアンケートに答えると謝礼としてモニター料の5,000円が毎月申出人に振り込まれるというものであるが、モニター契約に申し込むに際しては本件商品を12万円分購入することが条件となっている。
 申出人はこのような条件を承知のうえでモニター契約に応募し12万円分の本件商品を購入したが、冷静に考えるとモニターの謝礼分で本件商品の購入代金を回収するには24か月間という長期間が必要であることから思い直してモニター契約の解除の申入れを行った。
 しかしながら事業者は、このような業務提供誘引販売取引による契約が特定商取引法第58条に基づいて有効に解除できるにもかかわらず「この契約では契約の解除はできない」「このモニター契約ではクーリングオフ制度の適用はない」と主張して解約および商品代金の返金に応じようとしない。
 なお、申出人は○月○日、事業者のサイトに記載されていた事業者の住所(所在地)に「契約解除の通知書」を内容証明郵便で送付しているが現在に至るまで事業者から本件商品代金の返還はなされていない。
 以上のような状況であるため、事業者による同様の被害が拡大しないよう貴庁においてしかるべく対応されたい。

 

4.その他参考となる事項

※参考資料として次の資料を添付いたします。
・平成○年○月〇日付の契約解除通知書の写し   1通

以上


業務提供誘引販売取引で、特定負担に関する事項について虚偽の説明(不実告知)があったことを理由として主務官庁に行政処分の申出をする場合の申出書の記載例


申出書

平成〇年〇月○日

関東経済産業局 産業部消費経済課 御中

氏名 玉佐怜ルナ  ㊞         
 住所 大阪市東淀川区〇〇町〇-〇 〇号室
 電話番号 080-****-****      

下記の通り、特定商取引の公正及び購入者等の利益が害される恐れがありますので、適当な措置を取られるよう、特定商取引に関する法律第60条に基づき、申し出ます。

1.申出に係る事業者

 所在地:東京都江東区〇〇1丁目 〇番〇号 〇〇ビル〇F
 名 称:株式会社悪徳マネジメント(以下、「事業者」という)

2.申出に係る取引の態様

 モデル等のマネジメント等に関するレッスン等の提供と仕事の紹介、あっせん

3.申出の趣旨

 申出人は○月上旬、インターネット検索で見つけた事業者の主催するモデルのオーディションに応募し、書類審査と個別面談を経てオーディションに合格した。
 申出人は、この専属モデルの登録に際して事業者から「登録に際してレッスン料20万円が必要だがその他の費用は一切ない」との説明を受けたことから事業者との間で専属契約を結んだが、登録後も”プロフィール撮影料”や”衣装代”などの名目で多額の支払いを求められたため、事業者に登録の解除を申し入れた。
 これに対し事業者は、登録の解除に合意するとともに”プロフィール撮影料”や”衣装代”など支払い前の費用については請求を止めたものの、”レッスン料”の名目で支払った金20万円については返金に応じようとしない。
 しかしながら、事業者の行っているモデルの募集は特定商取引法に規定された業務提供誘引販売取引に該当するものであり、申出人の行った契約の解除の申入れは同法第58条に基づくクーリングオフであるから、事業者にレッスン料の返金を拒む法律的な理由は存在しないといえる。
 なお、本来は”プロフィール撮影料”や”衣装代”等の出費が必要となるにもかかわらず、それを隠して「登録に際してレッスン料20万円が必要だがその他の費用は一切ない」と説明して登録者を募る行為は、特定商取引法第52条1項2号で禁止されている特定負担に関する事項の不実告知といえる。
 以上のような状況であるため、事業者による同様の被害が拡大しないよう貴庁においてしかるべく対応されたい。

 

4.その他参考となる事項

※参考資料として次の資料を添付いたします。
・事業者のサイトをプリントアウトしたもの   1通
・事業者との間で取り交わした契約書の写し   1通
・事業者から受け取った”プロフィール撮影料”等の請求書の写し   1通

以上


申出書の記載の要点

申出書の根拠法令

上記の申出書は、特定商取引法第60条に基づく申出に関する申出書の記載例となります。

なお、特定商取引法第60条に関する”申出”は、上記のような業務提供誘引販売取引(内職商法やモニター商法、求人広告商法など)だけでなく、通信販売などの詐欺業者にを告発する場合も同じ手続きとなりますので、この申出制度の詳細についてはこちらのページを参考にしてください。
▶ ネット通販詐欺の被害はどこに告発・申告すればいいの?

 

申出書の様式について

特定商取引法第60条に基づく申出で使用する申出書は法律で様式が定められています(特定商取引法施行規則第57条第2項)。

申出書の雛型は消費者庁のサイトからダウンロードすることが可能です。

▶ 特定商取引法の申出制度|消費者庁

▶ 特定商取引法第60条に基づく申出書(様式第五)pdf|消費者庁

 

申出書の提出先

特定商取引法第60条に基づく申出書は「消費者庁長官」もしくは「経済産業局長」または「都道府県知事」に対して提出することが必要になります。

「消費者庁長官」「経済産業局長」「都道府県知事」のどこに提出すればよいかという点や具体的な送付先(消費者庁・各地域の経済産業局・都道府県の担当部署)についてもこちらのページに掲載していますので参考にしてください。
▶ ネット通販詐欺の被害はどこに告発・申告すればいいの?

 

申出書記載の要領

特定商取引法第60条に基づく申出書には、法令で「申出人の氏名又は名称及び住所」「申出に係る取引の態様」「申出の趣旨」「その他参考となる事項」の4項目を記載することが義務付けられていますので(特定商取引法施行規則第57条)、この4項目については必ず申出書に記載しておく必要があります。

【特定商取引法施行規則第57条】

第1項 法第60条第1項 の規定により主務大臣に対して申出をしようとする者は、次の事項を記載した申出書を提出しなければならない。
 一  申出人の氏名又は名称及び住所
 二  申出に係る取引の態様
 三  申出の趣旨
 四  その他参考となる事項
第2項  前項の規定により提出する申出書は、様式第五によること。

①「申出人の氏名又は名称及び住所」の欄の書き方

「申出人の氏名又は名称及び住所」の欄には、申出を行う人の氏名と住所を記載します。

前述したように特定商取引法第60条に基づく申出おいては「申出人の氏名又は名称及び住所」を記載することが法律で義務付けられていますので(特定商取引法施行規則第57条)、名前や住所を伏せた状態で申出することは基本的にできないと考えた方が良いでしょう。

なお、匿名で申出を提出することも不可能ではありませんが、その場合は役所の方でも法律上”特定商取引法第60条に基づく申出”として受理することはできませんから、”単なる情報提供”として処理されることになるのではないかと思います。

なお、特定商取引法第60条の申出は「何人も」申出を行うことができますので、悪質商法の被害に遭った被害者本人だけでなく、その家族や友人、親戚等被害者以外の人が申出書を作成して申出を行うことも可能です。

②「申出に係る取引の態様」の欄の書き方

「申出に係る取引の態様」の欄には、業務提供誘引販売取引における違法行為を行っている業者がどのような態様で顧客と取引を行っているかという点を記載します。

上記の事例では1通目の通知書では「モニター契約に関する商品の販売」と、2通目の通知書では「モデル等のマネジメント等に関するレッスン等の提供と仕事の紹介、あっせん」と記載していますが、その相手先業者の態様に応じて適宜書き換えてください。

③ 「申出の趣旨」の欄の書き方

「申出の趣旨」の欄には、業者がどのような法律違反行為を行っているか(業者のどのような法律違反行為で被害を受けているか)を具体的に記載します。

上記の事例では、1通目の通知書では特定商取引法の第52条1項3号で契約解除(クーリングオフ)に関する事項について虚偽の説明をすることが禁止されているにもかかわらずそれに違反してクーリングオフを妨害していることを、2通目の通知書では特定商取引法第52条1項2号で特定負担に関する事項の不実告知が禁止されているにもかかわらず、本来は追加の支出あることを隠して登録を結ばされたということを、それぞれ事業主側の法律違反行為として行政処分を求める文章にしています。

④ 「その他参考となる事項」の欄の書き方

「その他参考となる事項」の欄には、上記①②③の他に被害の事実を説明できるような事項を記載します。

基本的には被害の事実を説明できる事項であれば何を書いてもいいのではないかと思いますが、一般的には被害事実を証明できるような資料を箇条書きにしてその資料を申出書に添付することが多いようです。

なお、”写し”を提出するのは、後日業者を相手取って裁判などを提起する必要が生じた場合に原本を提出してしまうと裁判の証拠として裁判所に提出することができなくなってしまうからです。

特定商取引法第60条に基づく申出制度はあくまでも同様の被害が拡大することを防止することが目的であって、行政機関が個別の被害者の救済のため代金の返還などを代行してくれるわけではありませんから、被害の損害回復については各被害者が個別に(多くの場合は弁護士などに依頼して)裁判などで対応するほかありませんので、証拠となるような資料の”原本”は手元に残しておく方が良いでしょう。

参考サイト

特定商取引法の申出制度|消費者庁

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日本産業協会

http://www.nissankyo.or.jp/nsk/no-trouble/seido.html#sec4
※申出書の記載例(pdf)→http://www.nissankyo.or.jp/nsk/no-trouble/download/moushide-tuushin.pdf