このページでは、インターネット通販サイトで購入した商品がサイトに表示されていた画像や説明書きと異なっている場合(品質が劣る場合)に、その通販サイトにおける商品の購入契約を解除(解約)する際の通知書の記載例を公開しています。
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なお、この記載例(雛型)は当サイト管理人が個人的な見解で作成したものであり、仮にこの記載例を使用したことにより損害が発生した場合であっても当サイトの管理人は一切責任を負いませんのでご了承のうえご使用ください。
インターネット通販サイトで購入した商品がサイトに表示されていた画像や説明と異なる(または品質が劣る)場合に契約を一方的に解除する場合の通知書の記載例
通知書
平成○年〇月○日
株式会社damashitoruze 御中
住所 大阪市北区〇〇1丁目 〇-〇
氏名 玉佐怜ルナ ㊞
貴社の運営するサイトで購入した商品の売買契約の解除(取消)について
私は、〇年〇月〇日、貴社の運営するウェブサイト(http://〇〇〇〇.〇〇〇※以下「貴社サイト」という)において下記に挙げる商品(※以下「本件商品」という)を購入する旨の申込みを行い、同年〇月〇日、貴社サイトに記載されている要領に従って当該商品と送料(金1,500円)を含めた金11,350円を支払いました。
しかしながら、○年○月○日、貴社から送付された本件商品を確認したところ、その色や品質などについて、貴社サイトに表示されていた画像や説明書きと異なる点が認められます。
よって私は、貴社との間で締結した売買契約を解除(または取消)いたしますので、支払った商品の購入代金金〇円をご返金くださいますようお願い申し上げます。
記
1.ワンピース1点 7,950円(消費税込み)
2.麦わら帽子1点 1,900円(消費税込み)
以上
※後日裁判に発展した場合に証拠となるように郵送する際は内容証明郵便で送付する方が良いでしょう。
通知書記載の要領
通知書の内容
特定商取引法では通信販売においては商品到着後8日が経過するまでの間であれば業者側の承諾なしに一方的に契約を解除できると定められていますので(特定商取引法第15条の2第1項)、商品を受領してから8日以内であれば上記の記載例による通知書を送付して一方的に契約を解除することが可能です(※クーリングオフに似ていますが正確にはクーリングオフ制度ではありません※この点は後述します)。
もっとも、仮に8日を経過している場合であっても、民法上の詐欺(民法第96条)を理由とする取消や錯誤(民法第95条)を原因とした契約の無効を主張したり債務不履行による契約の解除(民法第541条)を行うことが可能な場合がありますので、そのような取り消しや無効、契約解除に該当するような事由が存在する場合には上記の記載例による通知書を送付して契約を解除(または取消)するようにしてください。
「契約を解除(または取消)いたします」と記載した理由
上記の記載例では、「契約を解除(または取消)いたします」と”解除”と”取り消し”をパラレルに記載しています。
これは、インターネット通販サイトでにおける詐欺被害においては、法律上「通信販売における契約の解除等(特定商取引法第15条の2)」「錯誤による契約の無効主張(民法95条)」「詐欺による契約の取消(民法第96条)」「債務不履行による契約の解除(民法541条)」「消費者契約法に基づく契約の申込みの取り消し(消費者契約法第4条)」など複数の契約の解除(又は取り消し)の形態があるからです。
将来的に裁判になった場合にどの法律構成で「契約の解除」又は「契約の取り消し」を主張するか、この段階では未だ判然としていないため上記の記載例では意図的に「契約を解除(または取消)いたします」とあいまいな表現にしています。
この通知書で「解除する」と言い切ってしまうと後の裁判で”民法96条による取消”や”消費者契約法4条に基づく取消”が主張しにくくなりますし、逆に「取り消す」と言い切ってしまうと、仮にのちの裁判で「通信販売における契約の解除等(特定商取引法第15条の2)」や「民法541条の債務不履行」を主張する際にこの通知書との整合性を取るのに支障が出る可能性があるので、「契約を解除(または取消)いたします」とあいまいな表現にする方が良いのではないかと考えました。
日本語の文章としては「契約を解除(または取消)いたします」という表現は正確性を欠いているともいえますが、”証拠”として残ってしまう文章の場合は意図的にこういうあいまいな表現で記載しておく方が良いと判断しましたので上記のような記載例としています。
契約解除(取消)後の商品の返送について
購入した商品は上記の通知書を送付した後に別途宅配便などで送付するようにしてください。
なお、通信販売における商品受け取りから8日以内の契約解除(特定商取引法第15条の2に基づく契約の解除)は”クーリングオフ”の制度とは異なりますので、返送に伴う送料(返送料)は購入者側の自己負担となります。
また、商品返送後に業者側に支払った商品代金の全額を返還するよう請求することができますが、購入時に支払った商品の送料については返還を請求することはできませんのでご注意ください(※上記の事例では契約を解除しても送料の1,500円の返還を請求することはできず、業者側に返還請求できる金額は商品代金の合計である金9,850円のみとなります)。
なお、ネット通販でサイトの画像や説明と異なる商品が送られてきた場合の契約解除方法についての詳細はこちらのページで解説していますので参考にしてください。