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道路で立ち塞がるキャッチセールス業者の行政処分申出書の記載例

このページでは、キャッチセールス業者から道路やその他の公共の場所で勧誘を受けた際に、進路に立ちふさがれて”とうせんぼ”されて迷惑したことを理由に、監督官庁である行政機関に違法行為の申出(告発・申告)を行う場合の申出書の記載例を公開しています。

※なお、執拗に付きまとうキャッチセールス業者に行政処分を与える手順などについてはこちらのページを参考にしてください。

▶ 付きまとったり立ち塞がるキャッチ業者に行政処分を与える方法

適宜、ワードなどの文書作成ソフトに打ち込んで自由にご利用ください。

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なお、この記載例(雛型)は当サイト管理人が個人的な見解で作成したものであり、仮にこの記載例を使用したことにより損害が発生した場合であっても当サイトの管理人は一切責任を負いませんのでご了承のうえご使用ください。

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キャッチセールスの販売員に道路等で立ち塞がれた場合に、行政機関に違法行為の申出を行う場合の申出書の記載例

申出書

平成〇年〇月○日

消費者庁長官 殿 ← ※”地方経済産業局長”や”都道府県知事”でもよい

氏名 宇座伊代   ㊞          
 住所 大阪市東淀川区〇〇1丁目-〇 〇号室
 電話番号 080-****-****       

 下記のとおり、特定商取引の公正及び購入者等の利益が害される恐れがありますので、適当な措置を取られるよう、特定商取引に関する法律第60条に基づき、申し出ます。

1.申出に係る事業者

 所在地:東京都江東区〇〇1丁目 〇番〇号 〇〇ビル〇F
 名 称:株式会社トーセンボセールス(以下、「事業者」という)

2.申出に係る取引の態様

 キャッチセールス

3.申出の趣旨

 申出人は○月上旬、渋谷駅前のハチ公前付近を友人と歩いていたところ、事業者の販売員から声を掛けられ、ダイエット食品の勧誘を受けたが、申出人らはダイエットには全く興味がなかったことから販売員を無視して歩き続けた。
 これに対し事業者の販売員は申出人らの進行方向に立ちふさがって前に歩けないようにし「そんな逃げなくたっていいじゃん」「5分だけでいいからさ」などと執拗に勧誘を継続した。
 しかしながら、このように道路やその他の公共の場所において顧客の進路に立ちふさがって勧誘を行うことは法律で明確に禁止される違法な行為である(特定商取引法第7条第4号/同条施行規則第7条第6号)。
 以上のような状況であるため、事業者による同様の被害が拡大しないよう貴庁においてしかるべく対応されたい。

4.その他参考となる事項

※参考書類として以下を添付いたします。

・事業者の販売員の名刺の写し    1枚

以上

申出書の記載の要点

申出書の根拠法令

上記の申出書は特定商取引法第60条に基づく申出に関する申出書の記載例となります。

なお、特定商取引法第60条に関する申出制度の詳細についてはこちらのページを参考にしてください。

▶ 付きまとったり立ち塞がるキャッチ業者に行政処分を与える方法

▶ 悪質な訪問販売・電話勧誘等の業者に行政処分を与える方法

 

申出書の様式について

特定商取引法第60条に基づく申出で使用する申出書は法律で様式が定められています(特定商取引法施行規則第57条第2項)。

申出書の雛型は消費者庁のサイトからダウンロードすることが可能です。

▶ 特定商取引法の申出制度|消費者庁

▶ 特定商取引法第60条に基づく申出書(様式第五)pdf|消費者庁

 

申出書の提出先

特定商取引法第60条に基づく申出書は「消費者庁長官」もしくは「地方経済産業局長」または「都道府県知事」に対して提出することが必要になります。

「消費者庁長官」「経済産業局長」「都道府県知事」のどこに提出すればよいかという点や具体的な送付先(消費者庁・各地域の経済産業局・都道府県の担当部署)についてもこちらのページに掲載していますので参考にしてください。

▶ 悪質な訪問販売・電話勧誘等の業者に行政処分を与える方法

 

申出書記載の要領

特定商取引法第60条に基づく申出書には、法令で「申出人の氏名又は名称及び住所」「申出に係る取引の態様」「申出の趣旨」「その他参考となる事項」の4項目を記載することが義務付けられており(特定商取引法施行規則第57条)、またこの申出書の様式(様式第五)ではこの4項目に加えて「申出に係る事業者」を記載する欄が設けられていますので、この5つの項目について申出書に記載する必要があります。

 

①「申出人の氏名又は名称及び住所」の欄の書き方

「申出人の氏名又は名称及び住所」の欄には、申出を行う人の氏名と住所を記載します。

前述したように特定商取引法第60条に基づいて行政処分を促す申出をする場合は「申出人の氏名又は名称及び住所」を記載することが法律で義務付けられていますので(特定商取引法施行規則第57条)、匿名で申出することは基本的にできないと考えた方が良いでしょう。

自分の氏名や住所を伏せて申出を提出することも不可能ではありませんが、その場合は申出の要件を満たさないため役所の方でも法律上”特定商取引法第60条に基づく申出”として受理することが出来ませんから、”単なる情報提供”として処理されることになるのではないかと思います。

(※”60条に基づく申出”として受け取られた場合には、法令上監督官庁に調査や処分などを行わなければならない義務が発生しますから申出書を受け取った監督官庁はその申し出を無視することはできません。しかし、単なる情報提供と受けたられた場合には監督官庁に調査や処分の義務は発生しませんから、実際に調査等を行うかは申出書を受け取った役所の担当者の判断次第となります。)

なお、特定商取引法第60条の申出は「何人も」申出を行うことができますので、悪質商法の被害に遭った被害者本人だけでなく、その家族や友人、親戚等被害者以外の人が申出書を作成して申出を行うことも可能です。

 

②「申出に係る事業者」の欄の書き方

「申出に係る事業者」の欄には、違法行為を行っている事業者の名称と住所を記載します。

この場合、事業者が法人(会社)の場合は登記簿上に記載されている業者の「名称」を、事業者が個人事業主の場合は「屋号」か「代表者の氏名」を記載します。

例えば、業者が株式会社の場合は「株式会社〇〇」と、業者が会社ではなく「悪質太郎」という人が個人事業主として営業しているものである場合には「悪質太郎」と、その悪質太郎が「悪質リフォームサービス」と言う屋号で営業している場合は「悪質リフォームサービス」と記載します。

 

③「申出に係る取引の態様」の欄の書き方

「申出に係る取引の態様」の欄には、違法行為を行っている業者がどのような態様で顧客と取引を行っているかという点を記載します。

上記の記載例ではキャッチセールスで勧誘を受けた事案を例として挙げていますので「キャッチセールス」と記載しています。

 

④ 「申出の趣旨」の欄の書き方

「申出の趣旨」の欄には、業者がどのような法律違反行為を行っているか(業者のどのような法律違反行為で被害を受けているか)を具体的に記載します。

上記の事例では、キャッチセールスの勧誘においては道路やその他の公共の場所において顧客の進路に立ちふさがったり顧客につきまとったりすることが法律で明確に禁止されているにもかかわらず(特定商取引法第7条第4号で適用する同条施行規則第7条第6号)、顧客(上記の記載例では申出人)の進行方向に立ちふさがって勧誘を続けていることから、その「立ち塞がったこと」自体を法律に違反する行為として行政処分を求める文章にしています。

なお、キャッチセールスの勧誘で禁止される「道路やその他の公共の場所において、顧客の進路に立ちふさがったり顧客につきまとったりすること」が具体的にどのような行為を指すのかなどの点についての詳細はこちらのページで解説しています。

▶ 付きまとったり立ち塞がるキャッチ業者に行政処分を与える方法

 

⑤ 「その他参考となる事項」の欄の書き方

「その他参考となる事項」の欄には、上記①~④の他に被害の事実を説明できるような事項を記載します。

基本的には被害の事実を説明できる事項であれば何を書いてもいいのではないかと思いますが、一般的には被害事実を証明できるような資料を箇条書きにしてその資料を申出書に添付することが多いようです。

上記のようにキャッチセールスで勧誘を受けただけの場合にはその悪質性を示す資料はあまりないと思われますが、上記の記載例ではキャッチセールスの販売員の名刺をもらっておいてその名刺の写しを添付することにしています。

この他にも、進行方向に立ちふさがられている状況でスマホの動画の撮影ボタンをONにしておき、キャッチセールスの販売員の言動を動画データとして記録するなどしてそのデータをDVD-Rにダウンロードしたものを添付するのでもよいと思います(※このような場合、スマホをバッグの中に入れておいた状態にしていても音声は録音されますから、販売員の顔などが撮影されていなくてもその会話等の音声記録だけでも立ち塞がられてキャッチを受けているということを推認させる証拠になります)。

なお、添付できるような資料がない場合には「特になし」と記載してかまいません(※特定商取引法第60条の申出は裁判ではないので違法性を示す証拠がなくても申出手続には全く問題ありません)。